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입이 짧다 (ibi jjalda) — 食卓の前で箸が進まない人に使う言葉

입이 짧다

입이 짧다 (ibi jjalda) は、好き嫌いが多くて、一度に食べる量も少ないという意味です。韓国の人が、食卓を前にして箸のあまり進まない人を見たとき、真っ先に口にするのがこの言葉です。会食の席で取り皿がそのままの人、おかずを十品並べても海苔一枚しかつままない甥っ子、新しくできた人気店に連れて行っても「僕は卵焼きだけください」と言う同僚 — こういう人を韓国語では「입이 짧다」と言います。

直訳すると「口が短い」ですが、ここで短いのは口の大きさや長さではありません。口が届く食べ物の範囲が狭いという絵で読むと、意味がすっと入ってきます。口が広く伸びていけずに、いくつかのものの前で止まってしまう感じです。

この言葉には軸が二つあります。一つは好き嫌いをするという方向、もう一つは少ししか食べないという方向です。両方に当てはまる人に使うのがいちばん自然ですが、片方だけでも使います。香りの強いものが食べられない人にも、茶碗半分でお腹いっぱいという人にも「입이 짧다」と言います。

大事なのは温度です。この言葉は非難ではありません。体質や性向を淡々と説明する言葉に近いのです。「あの人は怠け者だ」ではなく「あの人は寒がりだ」に近い位置にあります。ですから自分自身についても気兼ねなく使います —「제가 좀 입이 짧아서요 (jega jom ibi jjalbaseoyo)」は、食べ物を残すことになりそうなときに前もって出す、とてもよくある断りの一言です。

もう一つ。この言葉は持続的な性向を指します。今日はお腹がいっぱいで食べられない、という状態には使いません。この区別を外すと、文が丸ごと不自然になります。下でもう一度取り上げますね。

実際の会話で見る

状況:ジュンギョンの引っ越し祝い。テーブルいっぱいに料理を並べたのに、30分たってもエミリーの取り皿はほとんどそのままです。

ジュンギョン: 에밀리, 왜 이렇게 안 먹어? 입에 안 맞아? エミリー、どうしてこんなに食べないの?口に合わない?

エミリー: 아니야, 진짜 맛있어. 내가 원래 좀 입이 짧아. ううん、本当においしい。私、もともとちょっと食が細くて好き嫌いも多いの。

ジュンギョン: 어? 너 저번에 삼겹살은 3인분 먹었잖아. え?この前サムギョプサル3人前食べてたじゃん。

エミリー: 그니까. 먹는 건 많이 먹는데 가리는 게 많아. 향 센 거를 잘 못 먹어. でしょ。量はたくさん食べるんだけど、苦手なものが多いの。香りの強いものがどうしてもダメで。

ジュンギョン: 아, 그래서 쌀국수 남겼구나. 진작 말하지 그랬어. ああ、それでフォーを残したんだ。もっと早く言ってくれればよかったのに。

エミリー: 말하면 괜히 유난 떠는 것 같잖아. 어릴 때부터 입이 짧다고 어른들한테 하도 들어서. 言うと、なんだか大げさに騒いでるみたいでしょ。子どものころから大人たちに「好き嫌いが多い」ってさんざん言われてきたから。

こう使うと不自然です

✗ 저 오늘 점심을 늦게 먹어서 입이 짧네요. (jeo oneul jeomsimeul neutge meogeoseo ibi jjalneyo) ✓ 저 오늘 점심을 늦게 먹어서 별로 배가 안 고프네요. (jeo oneul jeomsimeul neutge meogeoseo byeollo baega an gopeuneyo) → 「今日はお昼を遅く食べたので、あまりお腹が空いていません」と言いたい場面ですね。입이 짧다 はその人の持続的な性向であって、今日のコンディションではありません。一時的に食べられない状況では「배가 부르다 (baega bureuda)」「입맛이 없다 (immasi eopda)」を使います。

✗ (初対面の目上の方に)어르신, 입이 짧으시네요. 왜 이렇게 안 드세요? (eoreusin, ibi jjalbeusineyo. wae ireoke an deuseyo?) ✓ (初対面の目上の方に)어르신, 혹시 못 드시는 거 있으세요? (eoreusin, hoksi mot deusineun geo isseuseyo?) → 文法そのものは問題ありません。ただ、相手の食習慣をこちらが判定して名前をつける言葉なので、目上の人や初対面の人に面と向かって使うと、おせっかいに聞こえてしまいます。この表現は自分自身か、その場にいない第三者について使うときがいちばん安全です。

場面別の使い方

① 子どもの話をする場 — 親同士のぼやき

우리 애가 입이 짧아서 반찬을 매번 다섯 가지씩 해요. uri aega ibi jjalbaseo banchaneul maebeon daseot gajissik haeyo. うちの子は好き嫌いが多くて、毎回おかずを五品ずつ作っているんです。

韓国でこの表現がいちばん頻繁に飛び交うのが、子育ての会話です。子どもがよく食べないという心配は親の代表的な悩みなので、「입이 짧다」はここでは決まり文句のようにくっついて回ります。

② 会食のメニューを決める場 — 気づかいの一言

김 대리가 입이 짧으니까 오늘은 곱창 말고 무난한 데로 가자. Kim daeriga ibi jjalbeunikka oneureun gopchang malgo munanhan deuro gaja. キム代理は好き嫌いが多いから、今日はコプチャン(ホルモン)じゃなくて無難なお店にしよう。

メニューを選ぶときに、誰かを置き去りにしないための配慮として使います。陰口ではなく、気づかいの文脈だという点が大事です。

③ お見舞いや目上の方の安否 — 心配の文脈

할머니가 요즘 입이 짧아지셔서 죽만 조금 드세요. harmeoniga yojeum ibi jjalbajyeoseoseo jungman jogeum deuseyo. おばあちゃんが最近あまり召し上がらなくなって、お粥を少しだけ召し上がります。

「입이 짧아지다 (ibi jjalbajida)」のように変化形で使うと、もともとはよく召し上がっていたのに最近はそうではない、という意味になります。健康への心配が下敷きになった文なので、いちばんトーンの重い使い方です。

敬語・タメ口と似た表現

タメ口なら「걔 입이 짧아 (gyae ibi jjalba)」、敬語なら「그분은 입이 짧으세요 (geubuneun ibi jjalbeuseyo)」のように、形容詞の活用をそのままたどります。自分のことを話すときは「제가 좀 입이 짧습니다」、あるいはやわらかく「제가 좀 입이 짧은 편이에요 (ibi jjalbeun pyeonieyo)」が実際にはいちばんよく使われます。「~인 편이다」をつけると断定がやわらいで、ずっと謙虚に聞こえますよ。

表現温度・強さ使う場面
입이 짧다 (ibi jjalda)中立。体質を説明する淡々としたトーン自分自身、家族、その場にいない第三者。面と向かって目上の人には使わない
편식하다 (pyeonsikhada)やや否定的。直すべき習慣というニュアンス親が子どもに、健康相談で。大人に使うと説教に聞こえる
입맛이 까다롭다 (immasi kkadaropda)いちばん強い。合わせるのが大変だという評価が入る陰口になりやすい。本人の前では避けたほうがいい
소식하다 (sosikhada)中立〜肯定。健康的な節制と受け取られる健康・ダイエットの話。「少なく食べる」の軸だけを担当
먹성이 좋다 (meokseongi jota)肯定。気持ちのいいほめ言葉反対側に置かれる言葉。「쟨 먹성이 좋아」はたいてい褒め言葉

混同しやすいペアも一つ押さえておきましょう。입이 가볍다 (ibi gabyeopda) は秘密を守れないという意味で、입이 무겁다 (ibi mugeopda) はその反対です。「입 + 形容詞」という形が似ているので学習者はよく混ぜてしまいますが、「重さは言葉に関わり、長さは食べ物に関わる」とまとめて覚えておくと、混乱が減ります。

文化背景 — 食卓は心を測る場

韓国では、よく食べることが長いあいだ美徳でした。あいさつが「밥 먹었어? (bap meogeosseo?)」(ごはん食べた?)の国であり、大人が孫を見ていちばん顔をほころばせる場面が、ごはん一杯をきれいに空にする姿です。食卓を用意した側からすると、料理が残るということは単なる食べ残しではなく、「私の真心が届かなかったのかな」という寂しさになることもあります。

だから「입이 짧다」という言葉は、単なる食習慣の描写を超えて盾としても使われます。しきりに勧めてくる目上の人の前で「제가 원래 입이 짧아서요 (jega wollae ibi jjalbaseoyo)」と一言置けば、料理がおいしくないという意味ではなく、自分の体がもともとそうなのだという説明になり、お互い気まずくならずにその場が収まります。外国人学習者にとってこの一文がとくに役立つ理由がここにあります — 韓国の食卓で「もう食べられません」を礼儀正しく伝える、いちばん短い方法なのです。

ドラマにもこの構図はよく出てきます。姑が嫁にしきりにおかずを押しやり、嫁は笑いながら少しずつ皿を空けていく。セリフの上ではあまり食べないという指摘が行き交いますが、実際に行き交っているのは心の距離です。名節(旧正月や秋夕)の特番ドラマや家族ドラマでは、この場面一つで二人の関係をすべて説明してしまうことがよくあります。

もう一つ付け加えると、反対語として「입이 길다」という言い方はしません。対になる表現がありそうなのに、ないのです。よく食べる人には、先ほどの表で見た「먹성이 좋다」や「뭐든 잘 먹는다 (mwodeun jal meokneunda)」を使います。慣用句は必ずしも対称に作られるわけではない、という良い例ですね。

今日のクイズ

次のうち、입이 짧다を自然に使った文はどれでしょう?

  1. 저 아까 간식을 많이 먹어서 지금 좀 입이 짧아요. (jeo akka gansigeul mani meogeoseo jigeum jom ibi jjalbayo)
  2. 우리 조카는 입이 짧아서 김치찌개는 아예 안 먹어요. (uri jokaneun ibi jjalbaseo gimchijjigaeneun aye an meogeoyo)
  3. 그 사람은 입이 짧아서 비밀을 절대 못 지켜요. (geu sarameun ibi jjalbaseo bimireul jeoldae mot jikyeoyo)
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正解は2番。

1番は「さっきおやつをたくさん食べたので今はお腹がいっぱい」という一時的な状態なので使えません。こういうときは「입맛이 없어요」や「배가 불러요」を使います。 3番は입이 가볍다と混ざってしまった文です。秘密を守れないのは口の「重さ」であって「長さ」ではありません。 2番のように、特定の食べ物を避ける持続的な性向を言うときが、この表現の出番です。


この記事の語釈と例文は、韓国国立国語院『韓国語基礎辞典』(krdict.korean.go.kr) から引用しました。当該部分(翻訳を含む)は CC BY-SA 2.0 KR ライセンスのもとで利用・配布されます。