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사기캐 (sagikae) — 反則みたいでちょっと悔しい、そんな人に贈る褒め言葉

사기캐

사기캐 (sagikae) とは、反則だと感じるほど能力や条件が飛び抜けている人を指す言葉です。ゲームの世界で「一人だけ強すぎて勝負のバランスを壊してしまうキャラクター」を呼んでいた言葉がゲームの外へ歩き出し、今では人にも物にも使われるようになりました。

場面を一つ思い浮かべてみましょう。会社に新人が入ってきました。仕事は速いし、お酒も強い。しかも聞いてみると、マラソンの完走記録まで持っている。先輩二人が給湯室でコーヒーを淹れながら、ひと言。「쟤 뭐야. 사기캐야?(あいつ何なの。사기캐なんじゃない?)」この言葉には、感心が八割、悔しさが二割混ざっています。すごいと認めてはいるけれど、あの人と同じ条件で競えと言われたらちょっと理不尽だ——そんな気持ち。사기캐 (sagikae) という言葉の温度は、ちょうどそのあたりにあります。

ですからこの言葉は、純粋な褒め言葉とは少し違います。대단하다 (daedanhada) が相手を上に持ち上げる言葉だとすれば、사기캐 (sagikae) は「あの人だけルールの適用が違うんじゃないか」という冗談まじりの抗議に近い言葉です。抗議のように聞こえて、結局は感嘆になっている。そこがこの表現の面白いところです。言われた側もたいていは嫌な顔をしません。むしろ「에이, 무슨(またまた、そんな)」と笑ってみせます。

使える範囲も広い言葉です。人に使うことが一番多いのですが、性能が良すぎる物にも使います。バッテリーが三日もつイヤホン、二か月前のキムチがそのままのキムチ冷蔵庫、一万ウォンでおかずが五品出てくる定食屋。こうしたものに「이거 사기캐다(これ、사기캐だ)」と言えば、「値段や大きさを考えたら、ありえないほど良い」という意味になります。

ただし、あくまで同世代のあいだで使う新造語です。文字に 사기 (sagi・詐欺) が入っているせいで、韓国語を学ぶ人が一番よくする誤解が「사기꾼(詐欺師)と似た言葉ですか?」というものですが、まったく正反対です。사기캐は人をだます人ではなく、あまりに優秀すぎて、だまされたような気分にさせる人のことです。

実際の会話で見てみましょう

場面: 土曜日の朝、近所の体育館でバドミントンサークル。ちょうど終わったダブルスの試合のあと、コート脇のベンチに座って水を飲んでいるところ。

ジュンギョン: 야, 저 사람 뭐야. 우리 둘이 붙었는데 한 게임도 못 땄어. ねえ、あの人何なの。こっちは二人がかりで当たったのに、一ゲームも取れなかったよ。

エミリー: 아까 라켓 처음 잡아 본다고 하지 않았어? さっき、ラケットを握るのは初めてだって言ってなかった?

ジュンギョン: 했지. 근데 키는 백구십에, 발 빠르지, 손목 스냅까지 좋아. 완전 사기캐야. 言ってた。でも身長は百九十あるし、足は速いし、手首のスナップまでいい。完全に사기캐だよ。

エミリー: 아, 그래서 아까 팀 짤 때 다들 자기편 하라고 난리였구나. ああ、だからさっきチーム分けのとき、みんな自分のチームに入れって大騒ぎだったんだ。

ジュンギョン: 그러니까. 저런 사기캐는 좀 너프해야 되는 거 아니야? でしょ。ああいう사기캐は、ちょっとナーフすべきじゃない?

エミリー: 너프는 무슨. 그냥 우리가 연습을 더 해야지. ナーフだなんて。単に私たちがもっと練習すればいいだけでしょ。

こう使うと不自然です

✗(部長に面と向かって)부장님, 영어에 골프까지 하시고… 부장님은 진짜 사기캐세요. ✓(同僚に)부장님 영어도 하시고 골프도 치시더라. 완전 사기캐야. → ゲームから生まれた新造語なので、目上の人を前にして使うと、褒め言葉ではなく軽い冗談に聞こえてしまいます。本人の前では「정말 못 하시는 게 없으세요(本当に、できないことがないんですね)」のほうが安全です。陰で感心して言う分には、まったく問題ありません。

✗(試験に落ちた友達に)어차피 걔는 사기캐라 네가 이길 수가 없었어. ✓(一緒に悔しがりながら)걔가 좀 특이한 경우였어. 너 진짜 열심히 했잖아. → 사기캐には「あの人はそもそも格が違う」という含みがあるので、負けた人の前で使うと、慰めではなく諦めの宣告になってしまいます。第三者に感心するときの言葉であって、誰かを慰める場に置く言葉ではありません。

場面別の活用例文

1. 新しく来た人の経歴を見て驚いたとき

저 친구 이력 봤어? 완전 사기캐던데. (jeo chingu iryeok bwasseo? wanjeon sagikaedeondae.) あの子の経歴見た? 完全に사기캐だったよ。

会社やサークルに新しい人が入ってきて、経歴も学歴も特技もどれも申し分ない、というときに使います。語尾に「-던데」を付けると「今見てきて驚いた」という余韻が残るので、ただ「사기캐야」と言うより会話が続きやすくなります。

2. 友達の思わぬ才能を発見したとき

계란찜 하나로 사기캐 인증했네. (gyeranjjim hanaro sagikae injeunghanne.) 茶碗蒸し一つで사기캐だって証明しちゃったね。

引っ越し祝いに招かれて行ったら、友達が余った材料でささっと作った계란찜(韓国風の蒸し卵)が、お店より美味しかった——そんなときに。인증하다 (injeunghada) はもともと「証明する」という意味ですが、最近のネット的な言い回しでは「行動ではっきり示してみせた」という意味でよく使われます。

3. 物の性能が値段に比べて良すぎるとき

이 김치냉장고 진짜 사기캐야. 두 달 전 김치가 아직 살아 있어. (i gimchinaengjanggo jinjja sagikaeya. du dal jeon gimchiga ajik sara isseo.) このキムチ冷蔵庫、本当に사기캐だよ。二か月前のキムチがまだ生きてる。

人以外のものにも使えることを示す例です。ここでの「살아 있다(生きている)」は、キムチが酸っぱくならず最初の味を保っているという意味で、韓国の人がキムチの状態を語るときによく使う言い方です。

敬語・タメ口と、似ている表現

사기캐は動詞ではなく名詞なので、後ろに付く述語を変えるだけで、形の上では敬語になります。사기캐야 (sagikaeya)사기캐예요 (sagikaeyeyo)사기캐이십니다 (sagikaeisimnida) の順に丁寧度が上がります。ただし、最後の形は実際にはほとんど使われません。かしこまった語尾に流行語を載せると、服がちぐはぐな感じがしてしまうからです。사기캐예요 あたりが自然な上限で、それも気の置けない先輩や、年の近い同僚に使う程度です。

表現温度・強さ使う場面
사기캐 (sagikae)感嘆8+悔しさ2、冗談っぽさあり同世代・SNS。ゲーム文化になじみのある間柄
넘사벽 (neomsabyeok)距離感、諦めが混ざる同世代・SNS。人より「差」そのものを指す
엄친아 (eomchina)羨ましさ+少しうんざり同世代。生まれつきの条件に恵まれた人に
능력자 (neungnyeokja)中立〜肯定、あっさりしているどこでも。目上の人にも無難

四つの表現は、重なるようでいて違います。넘사벽 (neomsabyeok) は「넘을 수 없는 사차원의 벽(越えられない四次元の壁)」を縮めた言葉で、相手そのものより自分との距離を語ります。엄친아 (eomchina) は「엄마 친구 아들(お母さんの友達の息子)」の略なので、生まれ持った条件のほうに重心があります。능력자 (neungnyeokja) は流行語の感じが薄く、社内チャットでも気兼ねなく使えます。「あの人、反則じゃない?」という冗談っぽさを含むのは、사기캐だけです。

文化背景 — バランス調整が必要な人

語の作り方は単純です。사기 (sagi・詐欺=ごまかし)캐 (kae・「캐릭터=キャラクター」の略)。オンラインゲームのユーザーが「あのキャラは性能が良すぎて사기だ」と言っていたのが「사기 캐릭터」として定着し、二文字を好む韓国語の性質どおりにもう一度縮まって사기캐になりました。「캐」の付く言葉はほかにもたくさんあります——初心者でも扱いやすい 쉬운캐 (swiunkae)、性能の弱い 약캐 (yakkae)、逆に最高ランクを指す 1티어 (il-tieo)

同じ根から出た言葉が、会話にセットで付いてくるのも特徴です。ゲーム会社が強すぎるキャラクターの性能を下げることを 너프 (neopeu, nerf)、弱いほうを引き上げることを 버프 (beopeu, buff) と言いますが、これを人に対してもそのまま使います。先ほどの会話でジュンギョンが「저런 사기캐는 좀 너프해야 된다」と言ったのが、まさにその使い方です。人をゲームのキャラクターのように語るこの冗談には、世の中が公平な対戦ゲームであってほしい、という気持ちがちらりと覗いています。

言葉が広まった経路はテレビです。2010年代以降、オーディション番組やスポーツ中継の字幕で、圧倒的な参加者・選手を紹介するときにこの単語が頻繁に登場し、ゲームをしない世代にも意味が渡っていきました。今では三十代・四十代でも問題なく通じますが、六十歳を超えた方には説明が必要かもしれません。慣れていない相手に使うときは「요즘 말로 사기캐라고 하죠(最近の言葉で사기캐って言うんですよ)」のようにひと重ら包んであげると、ずっと柔らかくなります。

韓国社会でこの言葉がとりわけよくなじむ理由も、考えてみる価値があります。試験や採用、さらにはサークルのチーム分けに至るまで「同じ条件で競う」という感覚が強い文化のなかで、条件そのものが違う人に出会ったときの感情を、この言葉がぴたりと言い当ててくれるからです。怒るには相手が何も悪いことをしていない、素直に感心するにはちょっと悔しい。そのあいまいな場所を、一つの単語が代わりに language してくれるのです。

今日のクイズ

次のうち、사기캐 (sagikae) を最も自然に使っている文はどれでしょう?

  1. 어제 중고 거래하다가 돈만 받고 사라진 사람 만났어. 완전 사기캐야.
  2. 회장님, 젊었을 때 사진 보니까 사기캐이십니다.
  3. 쟤 공부도 잘하는데 그림까지 잘 그려. 사기캐 아니야?
  4. 오늘 지갑을 잃어버려서 기분이 사기캐야.
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正解: 3番

1番は「사기」という文字のせいで生まれる、代表的な誤解です。実際に人をだました人は 사기꾼 (sagikkun) と言わなければなりません。2番は文法としては正しいのですが、会長を目の前にして流行語に最上級の敬語を載せているため不自然です。4番は、人や物の優れた性能について言う表現なので、感情の状態には使えません。3番のように一人の人がいろいろな方面で人並み外れて優れているとき、同世代どうしで感心しながら使うのが、いちばん典型的な使い方です。

この記事の語釈と例文は、韓国国立国語院『韓国語基礎辞典』(krdict.korean.go.kr) から引用しました。当該部分(翻訳を含む)は CC BY-SA 2.0 KR ライセンスのもとで利用・配布されます。