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만두 (mandu) — 설날の朝の食卓から冬の市場の蒸し器まで、韓国人の만두ひと皿

만두

만두 (mandu) は、小麦粉の生地を薄くのばした皮で、ひき肉や野菜の餡を包んだ料理という意味です。韓国語のこの言葉は、特定の一品だけを指すわけではありません。冬の市場の屋台で湯気がもうもうと立つ蒸し器の中にも、中華料理店でチャジャンミョンに添えられて出てくる皿の上にも、一人暮らしの部屋の冷凍庫のいちばん下の段にも、만두はあります。ですから만두は、韓国語を学ぶ人が最初に覚える食べ物の名前のひとつでありながら、同時にいちばん誤解されやすい単語でもあるのです。

만두は調理法によって名前が分かれます。お湯でゆでれば 물만두 (mulmandu)、蒸せば 찐만두 (jjinmandu)、油で焼いたり揚げたりすれば 군만두 (gunmandu) です。餡の中身によって 고기만두 (gogimandu)김치만두 (gimchimandu) に分かれ、こぶしほどの大きさなら 왕만두 (wangmandu) になります。つまり만두は上位の概念で、ほかはすべてその下にぶら下がる名前なのです。韓国の人に「今日は何を食べたの」と聞いて「만두」とだけ答えが返ってきたら、相手は自然と「どんな만두?」と聞き返してきます。

動詞との相性も知っておくと役に立ちます。만두は만들다(作る)よりも 빚다 (bitda) と結びつくことのほうがずっと多いのです。만두를 빚다 (mandureul bitda) は、手で皮を折り、ふちを押さえて形を整える——その一連の動作すべてを指す言い方です。焼き物を빚고、송편を빚는ように、만두も빚습니다。この一語に、韓国人が만두をどう扱ってきたかが詰まっています。만두は買ってくるものでもありますが、もともとは何人かで車座になって手で作るものだったのです。

国立国語院の辞書で確かめる

韓国国立国語院『韓国語基礎辞典』の語釈は次のとおりです。

만두 「명사」 밀가루를 반죽하여 얇게 민 후 그 위에 다진 고기나 야채 등 여러 가지 음식을 넣고 빚은 음식.

[en] mandu — Dumplings, made by kneading and pressing flour and wrapping minced meat, vegetables, etc., with the dough. [ja] ギョーザ【餃子】。パオズ【包子】 — 小麦粉で作った薄い皮の中にひき肉や野菜などの色々な具を詰めて作った料理。 [es] empanada coreana, bollo coreano — Empanada hecha de masa de harina fina, rellenándola con carne picada y verduras. [zh] 饺子 — 将和好的面团擀成薄片,放上剁碎的肉末或蔬菜等各种馅料后包起来的食物。 ── 韓国国立国語院『韓国語基礎辞典』(krdict.korean.go.kr)

ポルトガル語の訳は辞書に載っていないため、以下は私たちが独自に訳したものです(辞書からの引用ではありません):pastel coreano recheado (mandu) — massa fina de trigo recheada com carne moída, legumes e outros ingredientes.

注目したいのは中国語の対訳語です。辞書は만두を饺子(ジャオズ)と訳しています。漢字としては同じ字から来た言葉なのに、馒头とは訳していないのです。その理由は、後の「こう使うと不自然です」と「文化背景」で続けて取り上げます。

もうひとつ、押さえておきたいことがあります。辞書で만두と検索したときに一緒に出てくる例文は、実は食べ物の만두の例文ではありません。文字どおり만두という三文字を含んでいるだけで、まったく別の単語である 그만두다 (geumanduda)가만두다 (gamanduda) の例文なのです。作り話をせず、そのまま引き写すと次のようになります。

아버지는 회사에서 삼십 년 가까이 일하고 지난해에 회사를 그만두었다. 어머니는 다니던 직장을 그만두시고 집에서 가정일만 맡아서 하신다. 나는 동생이 화가 난 것 같아서 그냥 가만두었다. 동생은 강아지를 가만두지 않고 계속 귀찮게 굴었다. 정말? 어떤 녀석인지 가만두지 않을 거야. ── 韓国国立国語院『韓国語基礎辞典』(krdict.korean.go.kr)

それぞれどんな場面か見てみましょう。一つ目は、定年を控えた父が長く勤めた職場を去ったことを淡々と伝える文です。二つ目は、母が仕事を辞めて家事を担うようになった事情を説明する文で、どちらも「していたことをやめる」という意味の그만두다が使われています。三つ目は、腹を立てている弟(妹)にかまわず、そっとしておいたという意味。四つ目は逆に、子犬をそっとしておかず、ずっとちょっかいを出していたという意味です。五つ目は、かんかんに怒った人が「相手をただでは済まさない」と息巻いている言葉なので、前の二文とは温度がまったく違います。

五つの文のどこにも、食べる만두は出てきません。韓国語学習者が実際によくつまずく落とし穴がまさにこれで、辞書の検索結果をそのまま信じてはいけない理由でもあります。

実際の会話で見てみる

場面:설날(旧正月)の連休前日の夕方、ジュンギョンの家の台所。食卓に만두の皮と餡を広げて、二人で向かい合って包んでいるところです。

ジュンギョン: 야, 가장자리에 물 안 묻히고 그냥 붙이면 삶을 때 다 터져. ちょっと、ふちに水をつけずにそのままくっつけたら、ゆでるとき全部破れちゃうよ。

エミリー: 아 진짜? 어쩐지 아까 삶은 만두 세 개가 다 벌어지더라. えっ、ほんとに? どうりでさっきゆでた만두が三つとも口を開けたわけだ。

ジュンギョン: 그니까. 소도 욕심내지 마. 많이 넣으면 백퍼 터져. でしょ。餡も欲張っちゃだめ。入れすぎたら絶対破れるから。

エミリー: 근데 이거 언제 다 빚어? 나 벌써 손목 나갔는데. ていうか、これいつ全部包み終わるの? もう手首が限界なんだけど。

ジュンギョン: 내일 아침에 만둣국 끓이려면 이 판은 채워야 돼. 어머니가 딱 세 판 말씀하셨어. 明日の朝に만둣국を作るなら、このバットは埋めないと。お母さんがきっちり三バットって言ってたの。

エミリー: 알겠어… 대신 지금 찐 것 몇 개만 먼저 먹자. 만두는 빚으면서 집어 먹는 게 제일 맛있잖아. わかった…その代わり、今蒸したのを何個か先に食べよう。만두は包みながらつまみ食いするのがいちばんおいしいんだから。

こう使うと不自然です

✗ (中国旅行中、マントウを売る店の前で) 여기 만두 파네! 김치만두 있어요? ✓ (韓国の粉食店で) 여기 김치만두 있어요? → 韓国語の만두と中国語の馒头(マントウ)は同じ漢字を語源にもつ言葉ですが、今それぞれが指す食べ物は違います。今日の中国のマントウは餡の入っていない蒸しパンに近く、餡が入ったものはジャオズ(饺子)やバオズ(包子)と呼びます。辞書が만두の中国語対訳に饺子を当てているのも、そのためです。

✗ 부장님이 회사를 그만두신대. — 어? 회사에서 만두를 드신다고? ✓ 부장님이 회사를 그만두신대. — 아, 회사를 떠나신다고? → 그만두다と가만두다の中の만두は、食べ物とはまったく関係がありません。それぞれ그만+두다、가만+두다に分かれる言葉で、音が重なっているだけなのです。とくに그만두다は退職や中断といった重い出来事について使うので、ここで食べ物の話を持ち出すと、場の空気が大きくずれてしまいます。

場面別の活用例文

1. 粉食店で注文するとき — メニューに만두の種類がいくつもあるときは、調理法か餡を一緒に言ってはじめて注文が成立します。

여기 김치만두 한 접시랑 만둣국 하나 주세요. (yeogi gimchimandu han jeopsirang mandutguk hana juseyo.) キムチ만두を一皿と、만둣국をひとつください。

2. 冷蔵庫の前で夕飯を考えるとき — 韓国の一人暮らしの冷凍庫には、만두がひと袋くらいはいつも入っています。料理が面倒な日のデフォルトです。

냉동실에 만두밖에 없는데, 그거라도 쪄 먹을까? (naengdongsire mandubakke eomneunde, geugeorado jjyeo meogeulkka?) 冷凍庫に만두しかないんだけど、それでも蒸して食べようか?

3. 名節を前に電話するとき — 手間のかかる作業なので、最近は買って済ませる家も多いのです。

올해는 만두 안 빚고 그냥 사서 하기로 했어. (olhaeneun mandu an bitgo geunyang saseo hagiro haesseo.) 今年は만두を手で包まずに、買って済ませることにしたよ。

敬語・タメ口と似た表現

만두はモノの名前なので、それ自体に上下の区別はありません。敬意は一緒に使う動詞のほうに表れます。友だちには만두 먹을래? (mandu meogeullae?)、目上の人には만두 좀 드시겠어요? (mandu jom deusigesseoyo?) のように、먹다を드시다に変えればよいのです。

むしろ混同しやすいのは、만두系の名前のほうです。語感も、使われる場所も少しずつ違います。

表現ニュアンス・強さ使われる場所
만두 (mandu)中立的な総称どこでも。メニュー・家・市場
만둣국 (mandutguk)温かい一食、名節の雰囲気설날の朝の食卓、韓国料理店
왕만두 (wangmandu)大きくてボリューム満点、冬の街角市場の蒸し器、コンビニ
군만두 (gunmandu)カリッと香ばしく油っぽい、付け合わせの語感中華料理店、お酒のつまみ
교자 (gyoja)薄い皮の日本式、外来の感じ居酒屋、冷凍食品の名前

同じ만두でも、왕만두といえば冬の街角でふうふう言いながら食べる絵がまず浮かび、군만두といえばチャジャンミョンの横の皿に置かれた絵がまず浮かびます。単語が食べ物だけでなく、その食べ物が置かれている場所まで一緒に呼び出してくるのです。

文化背景 — 설날の朝の만둣국

만두という言葉は漢字の饅頭から来ています。言葉は中国から渡ってきましたが、その後、両国で指す食べ物が枝分かれしました。韓国では餡を入れて包んだもの全体が만두として残り、中国では餡のない蒸しパンがマントウになったのです。同じ字を受け継ぎながら、互いに違う絵を描くようになったわけです。

만두がいちばん大きく登場する日は설날です。地域によって설날の朝の食卓に上るものは違い、南のほうでは떡국(トックク)を、黄海道や平安道のように北に родのある家では만둣국を作ることが多いのです。ですから、その二つを合わせた떡만둣국もよく見かけます。설날の前日の夕方、家族全員が食卓を囲んで만두を包む風景は、韓国ドラマの名節回の定番シーンでもあります。カメラが台所に入ると、大人たちは만두を包みながら、これまで話せなかったことを口にしはじめ、その合間に小言と心配と笑いが混ざり合います。만두を包む時間は料理の時間であると同時に、家族が長く向かい合って座る時間でもあるので、ドラマが会話を差し込むのにいちばん都合のよい場所なのです。

ですから만두를 빚다という言葉には、食べ物の話以上のものが込められています。最近はスーパーの冷凍만두がとてもよくできているので手作りする家は減りましたが、その分、手で包んだ만두は真心のしるしとして受け取られます。韓国の友だちの家に行って、手作りの만두が食卓に並んでいたら、それはかなり手厚くもてなされている、ということなのです。

今日のクイズ

空欄にいちばん自然な言葉はどれでしょう?

내일이 설날이니까 오늘 저녁에 온 가족이 모여서 만두를 ____. ① 만들어요 ② 빚어요 ③ 지어요

正解は②の 빚어요 (bijeoyo) です。①の만들어요も文法的に間違いではありませんが、手で皮を折って形を整えるあの動作には빚다のほうがずっと自然です。송편(ソンピョン)も焼き物も「빚는다」と言います。③の짓다はごはん・家・名前・服に使う言葉なので、만두には合いません。

この記事の語釈と例文は、韓国国立国語院『韓国語基礎辞典』(krdict.korean.go.kr) から引用しました。当該部分(翻訳を含む)は CC BY-SA 2.0 KR ライセンスのもとで利用・配布されます。